翻訳を楽しもう!(8)/勘違いしてた

2017.11.4

「翻訳を楽しもう!目次」

 

日本語の「思う」に対応する中国語には、「想,覺得,以為,認為」等たくさんありますが、そのニュアンスの違いをどう訳し分ければいいのか、悩んだことはありませんか?

この中で、勘違いや間違った思い込みに対して使う「以為」は比較的わかりやすいかもしれません。今日は、まずこの「以為」を攻略しましょう!(最後に、「以為」を使った例文もたくさんご紹介しています!)

今日の例文は、北海道に行ったお父さんが食べたもので、家族みんなが大笑いしたという話題から。(大笑いの理由はメニューの翻訳ミスなのですが、その話はまた別の機会に)

①我以為他在開玩笑。

「以為」という漢字だけみると、ちょっと硬い言い方のように見えますが、実際は日常会話でもよく使います。直訳にならないよう、できるだけ自然な訳語を考えてみてください。

さあ、あなたならどう訳しますか?

 

【解説】

その判断が正しくないことに、今は気づいているわけですから、日本語では過去のこととして表現されますね。訳し方は、次の二通りです。

A.誤解がすぐに解けた時:「~かと思った」
B.誤解が解けるまで、一定の時間がかかったとき:「~(か)と思っていた」

 

①の文は、動作が今進行中なのでA。だから直訳は次のようになります。

②私は、彼が冗談を言っているのかと思った。
今日のもうひとつのポイントは、日本語では「我」や「他」に相当する語をあまりはっきり言わないということ。「私」「彼」「言う」を使わずに文脈から推測させることで、友達同士でおしゃべりしている時のような軽い表現になります。また、「お父さん」のような目上の人を、「彼」「彼女」で指すのは、とても不自然ですから、その点も注意してください。

動詞もできるだけ減らし、名詞を多用する方が日本語らしくなります。

では、今日の参考訳です。
③冗談かと思った。

 

例文

「以為」を使った例文をまとめてご紹介します。正しい判断を並べて言う時には、「原來、沒想到、結果、竟然」等がよく使われる点にもご注目ください。なお、話し言葉らしくするために、「~ていた」は全部「~てた」にしています。

原來今天才星期四,我以為已經星期五了。
今日はまだ木曜日なんだ。金曜日かと思ってたのに。

⑤我以為他是女生,沒想到是個男孩子!
女の子かと思ってたよ。まさか男の子だったなんて。

竟然放在這裡,我以為我弄丟了呢!
ここに置いてたんだ。失くしたと思ってたよ!

⑦我還以為電腦壞了,幸好只是進入待機模式。
パソコンが壊れたかと思ったら、スリープモードになってただけだった。良かった。

⑧大家都以為老師忘記要考小考了,結果竟然在下課前五分鐘才考。
先生は小テストのことを忘れてるとみんな思ってた。後5分で授業終了という時になって始まるとはね。

原來他是在諷刺我啊,我還以為是被稱讚了!
皮肉を言われてたのか。褒めてくれてるのかと思ったよ!

⑩我以為今天不會下雨,所以沒帶傘。
今日は降らないと思ってたから、傘がないよ。

⑪我以為剛剛是我的電話在響。
さっきは私の電話が鳴ったのかと思った。

⑫我以為他只把我當妹妹而已,沒想到他也喜歡我!
妹としてしか見られていないと思ってた。彼も私のことが好きだったなんて!

⑬我還以為日本會很冷,結果也還好嘛。
日本は寒いかと思ってたけど、そうでもないね。