台湾ドラマで中国語

台湾ドラマから、気になるセリフを拾って解説しています。スラング、慣用句、成語、日本語との比較、音声と字幕のズレ、文法、社会問題等、様々な角度から中国語の面白さをお伝えします!

台湾ドラマで中国語、目次

「日中対照用語集(ピンイン付):台湾ドラマの基礎用語」も、どうぞ

1.後菜鳥的燦爛時代/邦題:華麗なる玉子様(7)/インスタントラーメン

今回は、アーロン扮する紀文凱のこのセリフから。

車の中で文凱がつぶやいているこの言葉。このシリーズの前回の記事と同じように、実際に喋っている言葉と字幕がずれています。

泡麵(pàomiàn)/インスタントラーメン

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(画像は全てLine TVからお借りしました)

「泡麵」という字幕に対し、音声の方は「王子麵(Wángzǐ miàn)」。そのままスナック感覚で食べられるラーメンとしてよく知られているこの商品の名前です。

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そして、この場面でもやっぱり音声の方は「王子麵」です。

どんな流れかと言うと・・・

恋敵の名前が「王子誉」。

文凱の方を応援する部下が、この場面の直前に、「あの“王子麵”!」と名前にちなんだあだ名で呼んだことがきっかけで、文凱もこのあだ名を使うようになります。

日本語で言うと、音声は「ベビースターめ!」と言っているのに、字幕は「ラーメン野郎め!」になってる、みたいな感じでしょうか。

そして、「王子麵」という言葉が出てくる度に、字幕は全部(多分?)「泡麵」と書き換えられているのです。

これは、消費者が、それと気付かない形で、ニュースやドラマなどに公告を紛れ込ませるPlacement marketing(中国語では「置入性行銷」)の横行を阻止するという、政府の公告規制に関わるもの。でも、上の写真のように、はっきり商品名が見えてて、役者さんも何度もそれを連呼しているのだから、字幕だけ書き替えて意味があるのかな~、とも思います。

字幕の書き換えについては、以下にまとめの文章を書きましたので、よろしければこちらもどうぞ。

コラム:「字幕がちょっと違う。

名前にちなんだあだ名、というのは中国語でもよくあります。「王子誉」に好意的な女の子たちは、「王子」と呼ぶので、この対比もなかなかおもしろいですね。

実は、この直前のセリフにもちょっとおもしろい仕掛けがあるのですが、これはまた次回に。

(2016.10.23のブログ記事に加筆修正しました)