台湾ドラマで中国語

台湾ドラマから、気になるセリフを拾って解説しています。スラング、慣用句、成語、日本語との比較、音声と字幕のズレ、文法、社会問題等、様々な角度から中国語の面白さをお伝えします!

台湾ドラマで中国語、目次

「日中対照用語集(ピンイン付):台湾ドラマの基礎用語」も、どうぞ

8.稍息立正我愛你(13)/いったいどこの子?

台湾ドラマには、中国語字幕があるので、意味を理解するのは比較的簡単です。

でも、「こんなの簡単!」って、スルーしてしまいがちな中国語の中にも、いざ訳そうとすると、「あれ?」と思うセリフがあるのです。例えばこれ。

shaoxi21
(画像はLine TVからお借りしました)

常被對面鄰居小孩欺負
いつも“對面鄰居”の子供にいじめられて

子供の頃に日本に引っ越し、高校生になって台湾にもどって来たという設定の主人公。日本でいじめられてたということはわかるのですが、じゃ、いじめてたのは誰?

と考えてちゃんと訳そうとすると、ちょっと引っかかります。

「對面」は「向かい」でわかりやすいのですが、じゃ次の「鄰居」はいったい何?いじめてたのは、いったいどこの子なのでしょう?

 

「鄰居」には、「隣」という字が使われていますが、実はもう少し意味が広いのです。これが今日のキーワードです。

鄰居línjū(ご近所)

隣のお家ももちろん含みますが、向かいもその隣も含みます。だから、字幕の「對面鄰居小孩」は「向かいの家の子供」となります。

日本人なら、「鄰居」を落として「對面小孩」と言ってしまいそうですが、やはり「鄰居」があった方が自然なのだとか。もし、すぐ隣の家の子供だったら、「隔壁gébì鄰居小孩」と言います。

 

日本語と中国語は、同じ漢字もたくさん使われているので、便利なこともありますが、こんな風にちょっとずれていることもあります。そのずれに注目するのもまた楽しいなと思います。

(2018.3.29)