2016.10.22

10月25日は台湾の「光復節」。日本の植民地統治の終了を記念する日です。
そして、10月31日は「蒋介石の誕生日」。この日も、台湾の記念日として定められています。

ところが、今年は、どちらの記念日も、学校の授業があるのかどうか、ぎりぎりまで決まらないところがたくさんありました。

台湾の祝日制度が、この一年間、揺れに揺れたからです。

 

この問題の背景には、いわゆる「7日間の国定休日問題」があります。

2000年前後に相継いで週休二日制が導入されたことをきっかけに、去年まで、国が定めた祝日のうち特定の7日間は、公務員も一般労働者も、「記念日だけど休まない」のが原則となっていました。ところが、昨年末に労働基準法が改正されたことで、この7日間を休ませないのは違法ではないのか、という問題がもちあがったのです。詳細は、以下のブログ記事をご参照ください。

「台湾の祝日制度のややこしさ」

 

この混乱を受け、今年の6月20日に、政府はこの7日間の休日を復活させると宣言しました。でも、一般労働者だけです。公務員は、「この7日間は休日にしない」ことが法律で定められているため休めません。その結果、同じ台湾の中で、休む人と休まない人との違いが出てきてしまったのです。

その最初の休日が、先月28日の「孔子誕生日(通称“教師の日”)」でした。

当初は、年度の途中で制度が変更になったこともあり、様々な混乱が予想されていました。同じ公立の施設や機関で働いていても、雇用形態によって労働基準法が適用されるかどうかが異なるので、外から見たら休む人と休まない人の区別がわかりにくいのです。証券会社や銀行も休みにくい。結局、この日は台風休暇でほとんどの地域がお休みとなったため、この問題は、次の「不思議な記念日」である10月25日の「光復節」と10月31日の「蒋介石誕生日」まで、先送りされてしまいました。「教師の日」の混乱ぶりは、以下のブログでどうぞ。

先生は休めない「教師の日」  先生も休んだ「教師の日」

 

しかも・・・

今、別の休暇制度と引き換えに、この「不思議な記念日」7日間を原則出勤日とする法案が審議中で、それがもうじき可決されそうな感じなのです。今のところ、今年はこんな状況が予想されています。

1月2日…開国記念日の翌日⇒みんな出勤
3月29日…革命先烈記念日⇒みんな出勤

<6月20日政府通達>
9月28日…孔子誕生日(教師の日)⇒一般労働者だけ休み台風休暇で公務員も休み
10月25日…光復記念日⇒一般労働者だけ休み
10月31日…蒋介石誕生日⇒一般労働者だけ休み

<法改正???>
11月12日…孫文誕生日⇒みんな出勤???
12月25日…憲法記念日⇒みんな出勤???

 

というわけで、10月25日と31日の2日間だけは、「不思議な記念日」が残ることが確定。学校も、原則として国公立は休みじゃないけど、私立は休み、ということになります。しかも、国公立の学校でも警備員さんや給食スタッフ、実験助手等、雇用形態により労働基準法の適用を受ける人もいるので、この人たちはお休みにするのが原則。もし、出勤させたら休日出勤手当を出さなければなりません。

 

そんなこんなで、どこの学校も大混乱。

休むの?休まないの?

学校毎に(あるいは授業毎に)、違った対応になっている可能性がありますので、事前確認をお勧めします!