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母音の読み分け、徹底攻略
1.aの読み分け 2.eの読み分け 3.iの読み分け 4.uの読み分け
中国語の勉強を始めたばかりの頃は、同じ綴りの母音に何通りもの読み分けがあることで、混乱することもあるかもしれませんね。でも、その読み分けも、基本的なことは全てルールで説明できるのです。
まず、このページでルールを覚えてから発音練習すれば、ビックリするほど違いがわかるようになりますよ。
1.aの読み分け
●基本ルール
aには3通りの読み方がありますが、そのうちのどれで読むかは、母音の形を見るだけですぐに判断できます。ルールは次の表の通り。
※1:iで始まる母音に子音がつかない時は、y又はyiと綴る。だから、読む時は「yan→ian」と読み替える。
※2:üで始まる母音に子音がつかない時は、yuと綴る。だから、読む時は「yuan→üan」と読み替える。(yとwを中国語らしく読むために)
※3:j,q,xにüで始まる母音が続く時は、「ü→u」と綴る。だから、読む時は、「juan→jüan,quan→qüan,xuan→xüan」と読み替える。
●「ian/yan」と「iang/yang」
注意しなければならないのは、「ian/yan」と「iang/yang」が全く別の母音だということ。「iang/yang」の方は①、つまり単母音と同じように口を大きく開けて「ア」を発音します。
このように、「ianとiang」のaの読み方が全く違っていることを知っておけば、日本人が苦手な「nとng」の聞き分けの苦労も減りますね。(nとngで悩んでいるあなたへ)
では、動画の発音を聞きながら練習してみましょう。
この動画の発音を聞いていただいてもわかる通り、母音がian(②)又はüan(③)の時、aが「ア」と読めないことだけ注意すれば、その他のa(①)は気楽に読めるのです!
●要注意のaを単語で確認
では、要注意のaがどんな単語で出てくるのか見てみましょう。
②日本語の「エ」に近く読むもの・・・母音がianの時
次の表の青でマークされたaは全て「エ」に近く発音します。
③日本語の「ア」と「エ」の間で読むもの・・・母音がüanの時
次の表の緑でマークされたaは全て「ア」と「エ」の間で発音します。
では、この二つの表の発音を、動画で練習してみましょう。
●応用練習
最後は①~③をまとめて応用練習です。それぞれのaを、①~③のどれで読むのか意識しながら練習してみます。
動画はこちら。
慣れるまでは、「ア」と読んではいけないaにチェックを入れる(「エ」と書いたり、赤線を引いたり)のもよいと思います。
こんな規則をマスターするためのトレーニングは、自分だけでできるので、それを先にすませておけば、レッスン時間は本当の意味での発音練習に使えますよ!
●まとめ
aの発音に注意しなければならない綴りは、以下の通り。
②yan,子音+ian・・・「エ」に近く ③yuan,juan,quan,xuan・・・「ア」と「エ」の間 |
2.eの読み分け
●基本ルール
eには2通りの読み方がありますが、そのうちのどちらで読むかも、母音の形を見るだけですぐに判断できます。ルールは次の表の通り。
※1:ueng(weng)で読む漢字は、初級段階では出てこない。
※2:engで読む漢字は、ほとんどない。
●「enとeng」「uenとueng」
ianとiangのaが全く別の発音だったのと同様、「enとeng」のeも、「uenとueng」のeも、全く別の発音になります。en,uenの方は、「エ」で発音しても充分通じますが、eng,uengの方は「エ」では通じないのです。eの音色の違いに注意すれば、nとngの聞き分けの苦労もありません。(nとngで悩んでいるあなたへ)
中には、en,uenのような②のeを「エ」と言い切ってしまうことに、抵抗がある方もいるかもしれませんが、これはあくまでも非ネイティブが、通じる発音をマスターする段階の話。まずは、「エ」にならない①の発音を身に着けることに意識を集中し、②は「エ」から少しずつネイティブの発音に近づけていけばよいのだと思います。
●二種類のeを単語で確認
では、二種類のeが、それぞれどんな単語で出てくるのか見てみましょう。
①「エ」の口で「ウ」と「オ」の間の音を出すもの(単母音のeと同じ)・・・母音がe,er,eng,uengの時
次の表のピンクでマークされたeは、全て「エ」の口で「ウ」と「オ」に近い音を出します。
②日本語の「エ」に近く読むもの・・・①以外
次の表の青でマークされたeは全て「エ」に近く発音します。
●応用練習
最後は①②をまとめて応用練習です。それぞれのeを、①②のどちらで読むのか意識しながら練習してみます。
●まとめ
eの発音に注意しなければならない綴りは、以下の通り。(初級段階)
①e,er,子音+e,子音+eng・・・「エ」の口で「ウ」と「オ」の間(単母音のeと同じ) |
3.iの読み分け
●基本ルール
iには3通りの読み方がありますが、そのうちのどれで読むかは、直前の綴りで判断します。ルールは次の表の通り。
②の方は、そり舌の子音をきちんと発音することだけ意識すればよいのです。そり舌にすると、普通は口をしっかり横に引くことができませんから。
特に気をつけなければならないのは③。日本語の「ウ」に近いと思ってもよいでしょう。
なお、②③のiは、他の子音や母音との組み合わせでは出てきませんので、まずは、「zi,ci,si」だけを要注意として覚えましょう。
●zi,ci,siとzu,cu,su
zi,ci,siに似た音に、zu,cu,suがあります。どちらも、日本語のカタカタで書くとしたら母音は「ウ」に近いのですが、例えばsiとsuを比べた時、どちらがより日本語の「ス」に近いかと言うと、「si」の方です。それは、日本語を勉強したことがない中国語ネイティブに、日本語の「ス」を聞かせてピンインで書いてもらうと、まず「si」と書くことからもよくわかります。
だから、zu,cu,suを発音する時は、必ず口をしっかり丸めます。これをサボっていると、zi,ci,siになってしまうのです。
●まとめ
iの発音に注意しなければならない綴りは、以下の通り。
③zi,ci,si・・・「イ」の口で「ウ」 |
4.uの読み分け
●基本ルール
uには2通りの読み方がありますが、そのうちのどちらで読むかも、直前の文字で判断します。ルールは次の表の通り。
※:üで始まる母音に子音がつかない時は、yuと綴る。だから、「yu」で始まる母音は全て「ü」に読み替える。(yとwを中国語らしく読むために)
j,q,xにüで始まる母音が続く時は、「ü→u」と綴る。だから、「ju,qu,xu」で始まる綴りは全て「jü,qü,xü」に読み替える。
●まとめ
uの発音に注意しなければならない綴りは、以下の通り。
②y,j,q,x+u・・・「ウ」の口で「イ」(単母音のüと同じ) |