台湾ドラマで中国語

台湾ドラマから、気になるセリフを拾って解説しています。スラング、慣用句、成語、日本語との比較、音声と字幕のズレ、文法、社会問題等、様々な角度から中国語の面白さをお伝えします!

台湾ドラマで中国語、目次

「日中対照用語集(ピンイン付):台湾ドラマの基礎用語」も、どうぞ

8.稍息立正我愛你(3)/四文字で遊ぶ

今日は、台湾ドラマでおなじみのこの四字熟語です。

紅杏出牆/hóng xìng chū qiáng/杏の赤い花をつけた枝が、垣根の外まで伸びている→女性の不倫

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(画像はLine TV1-1からお借りしました)

千萬不可紅杏出牆
他の男と浮気なんて、絶対許さん

セリフは、画面の主人公のお父さんのもの。常識外れの両親のせいで、ボーイフレンドができそうにない、と嘆く主人公が叱られています。お腹の中にいる時に、曽曽祖父が決めた許嫁がいるのだから、というのがその理由です。

台湾ドラマでおなじみのこの四字熟語。今はほとんど、女性の不倫を象徴する言葉として使われていますが、元々は宋代の詩の一節です。塀の外まで勢いよく伸びた杏の一枝から、塀の内側で満開を迎えた杏の赤い花々を想像させています。3月頃に咲く杏の花に、春の陽気が満ちあふれる様子を象徴させた美しい詩なのです。

浮気なんていう俗っぽいことまで、こんな四字熟語で表現してしまうところが、中国語ならではですね。

このセリフの前半部分にもご注目ください。こちらは「千萬」+「不可」で四文字。四字熟語とまでは言えませんが、こういう言葉を四文字セットで覚えておくと、中国語らしい文が書けるようになります。

またこの場面のように物事を大袈裟に言ったりする時にも使うので、例えば、友達同士の会話で「絶対ダメよ!」と言いたい時、わざと抑揚をつけてこんな表現を使うと、結構ウケたりするのです。

学校で習った四字熟語も、そのまま真面目に使うのは少しハードルが高いので、こんな感じで冗談めかして遊んでみるのがお勧めです!

ぜひ、お試しください。

(2018.2.28)