台湾ドラマで中国語

台湾ドラマから、気になるセリフを拾って解説しています。スラング、慣用句、成語、日本語との比較、音声と字幕のズレ、文法、社会問題等、様々な角度から中国語の面白さをお伝えします!

台湾ドラマで中国語、目次

「日中対照用語集(ピンイン付):台湾ドラマの基礎用語」も、どうぞ

8.稍息立正我愛你(15)/「大好き」が伝わる

 

今回は、恋する女の子の切ない気持ちが伝わるこのセリフです。

shaoxi23
(画像はLineTV8-1からお借りしました)

我好喜歡你
大好きなの

好きな男の子と、友達関係のままでいるのが辛い。そんな気持ちを、ぬいぐるみに内蔵されたボイスレコーダーに録音しています。個人的には、このドラマで曾之喬の見せる切ない表情が好きなのですが、特にこのセリフは「大好き」が伝わるなー、と印象に残っています。

 

さて、中国語の問題です。

実は、「大好き」が伝わるのは、曾之喬の表情の問題だけでなく、セリフの力でもあるのです。それは、「好」が話し手の主観を強く伝える表現を作るから。よく使う例としては、こんなものがあります。

好久:ずいぶん長い間
好幾個:いくつも
好吃,好看:おいしい、きれいだ
好像:〜のようだ

どれも、「好」がつくことで、客観的な事実より、話し手の判断を伝える役割りが強くなっていますね。元々、「好」は「良い」という評価を表す形容詞なので、これが主観を伝えやすいというのは、当然かもしれません。

 

実は、このセリフが気になった理由がもうひとつあります。

台湾華語には、第三声が最後に来た時も、上がる部分を発音せず、半三声のように低い音だけを出すという特徴があります。中国普通話では、第三声で終わる時、最後を少し上げて発音するので、ずっと、普通話で中国語を学んだ来た私は、最初にこの発音を聞いた時、少し違和感がありましたが、これを意識するとちょっと台湾っぽい発音になることがわかってからは、結構気に入って使っています。詳細は以下の記事をご参照ください。

【台湾華語と中国普通話の違い】第三声がない?!

このセリフでも、最後の「你」には、上がる部分がありません。その低いままプツンと切れるような発音が、この女の子の気持ちによく合うなあ、と思ったのでした。

第八話、18分ぐらいからです。ぜひ聞いてみてくださいね。

(2018.4.5)