台湾ドラマで中国語

台湾ドラマから、気になるセリフを拾って解説しています。スラング、慣用句、成語、日本語との比較、音声と字幕のズレ、文法、社会問題等、様々な角度から中国語の面白さをお伝えします!

台湾ドラマで中国語、目次

「日中対照用語集(ピンイン付):台湾ドラマの基礎用語」も、どうぞ

2.莫非,這就是愛情(6)/「か」が難しい

今日は、前回ご紹介したこのセリフの和訳の問題です。

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(画像はYouTube三立華劇ep2からお借りしました)

來 我檢查一下口袋在哪裡
(さあ、ポケットがどこにあるの、僕がチェックしてみよう)

実はこのピンクの「か」を入れるのが、中国語母語話者にとって、かなり難しいのです。

この問題を書いてみたくなったきっかけは、中国語を勉強されている方のブログ記事
“你知道中国人口最多的是哪个城市吗?”
(中国で人口の一番多いのはどこの都市だか知っていますか?)

この文は、疑問詞があるのに、何故最後に「吗」がつくのか、という問題について書かれていたのですが、私はこの和訳の方が気になってしまいました。(吗の問題についてはコチラの解説をどうぞ)

上のセリフの和訳と同じように、中国語母語話者の場合、かなり上級になっても、ピンクの「」が上手く使えず、「人口が一番多いのはどこの都市知っていますか。」のような文を作ってしまうから。
①這是什麼?
これは何です

のような疑問詞を使った疑問文を作る時、日本語では「か」がつくけど、中国語ではそれに相当する「嗎」がつかない。

この違いは、みんなよくわかっているので、「これは何です」「担当者は誰です」「締め切りはいつです」等、文の最後につく「か」は、少し日本語を勉強すればできるようになります。

ところが、上のふたつの例や、次の②のような疑問詞疑問文を埋め込んだ文の場合、日本語では相変わらず「か」が必要なのに、中国語母語話者は、なかなかそれが使えないのです。

②你知道 這是什麼 嗎?
これが何知っています

最後の緑色の「か」だけは忘れないのですが。それは、中国語では「嗎」のつく文が埋め込めない、という制約があるせいなのでしょうね。でも、日本語では、文の途中にも「か」が平気で出てきます。

③どこの駅で乗換えたらいいのわからない。
④いつからこうなったの覚えています

次のような文では、間に2回、合計3回も出てきますね。(中国語では反復疑問文を埋め込むケースです)
⑤明日授業があるのどう確認していただけます
この違いに慣れるのは、なかなか大変そうです。

「中国語、いつまでたってもわからないことがいっぱいある」と普段は思っていても、こんな例に出会う度に、「イヤイヤ、日本語はその何倍も難しいかも」と思ってしまいます。

(2016.12.17のブログ記事に加筆修正しました)