台湾ドラマで中国語
台湾ドラマから、気になるセリフを拾って解説しています。スラング、慣用句、成語、日本語との比較、音声と字幕のズレ、文法、社会問題等、様々な角度から中国語の面白さをお伝えします!
●「日中対照用語集(ピンイン付):台湾ドラマの基礎用語」も、どうぞ
2.莫非,這就是愛情(7)/我慢できない
このドラマでは、成語や慣用句がたくさん使われています。しかも、それがひとひねりふたひねりされていることもあるので、中級から上級へのステップアップ教材として、とても役に立つと思うのです。
このセリフもそのひとつ。
(画像は全てYouTube三立華劇ep3からお借りしました)
叔可忍Shú kě rěn
(おじさんは我慢できる)
ここまで発音を聞いただけで、「あ、あの成語のアレンジ」とわかる方は、私と同じ成語マニアでしょうか。喋っているのはこの男の子で、セリフはこう続きます。
嬸嬸可忍不住Shěnshen kě rěnbuzhù
(でもオバサンは我慢できない)
「叔」はこの男の子自身、「嬸嬸」は厳しい女性ボスを指しています。
もとになっているのは、論語に由来するこの成語です。
是可忍,孰不可忍
Shì kě rěn, shú bù kě rěn
(これが我慢できるなら、他に我慢出来ない事があろうか→とても我慢できない)
嬸嬸は叔叔(お父さんの弟)の奥さん。とってもややこしい中国語の親族呼称ですが、このセリフでは、ちゃんとペアで使いながら、どちらも元の成語と同じshで始まる音になっているところにこだわりを感じます。
(2016.12.19のブログ記事に加筆修正しました)