台湾ドラマで中国語
台湾ドラマから、気になるセリフを拾って解説しています。スラング、慣用句、成語、日本語との比較、音声と字幕のズレ、文法、社会問題等、様々な角度から中国語の面白さをお伝えします!
●「日中対照用語集(ピンイン付):台湾ドラマの基礎用語」も、どうぞ
3.我和我的十七歲(4)/カナヅチ
イケメンの魅力を、徹底的にアピールするのが台湾ドラマの王道。なのに、こんなメイクで登場したイケメンもいます。
重要な役どころの彼のセリフには、色々気になる言葉がありましたが、その中から今日はこの場面をご紹介します。
(画像は「Line TV 」からお借りしました)
是我從小就是個旱鴨子吧
(彼女に魅かれるのは)自分が小さい頃からカナヅチだったせいかな。
「旱鴨子hànyāzi」を直訳すると「陸の上のアヒル」。これが「→泳げない→カナヅチ」となります。
水泳選手でモテモテの女王キャラの女の子に、密かに想いを寄せる男の子という設定なので、自分を卑下する言葉としては、「カナヅチ」より「旱鴨子」の方が、よりミジメな感じが伝わる気がします。
この人は「愛上哥們」で翰昇を演じた王家梁。ダサいオタクの雰囲気を出すための工夫を紹介した記事には、「暴牙bàoyá(出っ歯)」「化膿痘痘huànóng dòudòu(ひどいニキビ)」の他に、割れた腹筋を隠すための「肥肚子féi dùzi(お腹のぜい肉)」という言葉が並んでいました。ドラマのセリフにもよく出て来るこういう容赦ない表現を聞く度に、中国語で暮らしていくには、もっと精神力を鍛えないといけないなー、と思ってしまいます。
彼が高校生の頃「旱鴨子」だった、という点は、ドラマの後半、マッチョなイケメンに変身した(戻った?)後の展開の、ひとつの伏線にもなっていますよ。
(2017.01.22のブログ記事に加筆修正しました)