台湾ドラマで中国語

台湾ドラマから、気になるセリフを拾って解説しています。スラング、慣用句、成語、日本語との比較、音声と字幕のズレ、文法、社会問題等、様々な角度から中国語の面白さをお伝えします!

台湾ドラマで中国語、目次

「日中対照用語集(ピンイン付):台湾ドラマの基礎用語」も、どうぞ

3.我和我的十七歲(3)/いつのことやら

理由あって長年離ればなれに暮らしてた母子。一緒に暮らすようになっても遠慮が抜けなくて、息子は「靴下は自分で洗う」と言います。それに対する母親のセリフがこれです。

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(画像は「Line TV 」からお借りしました)

等到你洗要等到民國哪一年
(あなたが洗うのを待ってたら、何年先になるかわからないでしょ)

「要等到民國哪一年(直訳:民国何年まで待てばいいのか)」は、「気の遠くなるような先の話」「いったい、いつのことやら」という意味で、相手をからかうような感じで使います。

「民國」は台湾の年号。日本語の「昭和、平成」等のようなもので、お役所の文書の日付は全てこの「民國」表記です。西暦から1911を引いた数字なので、2020年は民國109年になります。

「要等到民國一百年(民国百年まで待たなきゃいけないよ)」という言い方もあり、こちらが元の形のようです。語源については諸説ありますが、少しまとめてみますね。

日本の敗戦とともに、台湾で中華民国の統治が始まったのは民國30年代。その当時、「民國100年」と言うと、とてつもなく遠い先のことだったようです。もしかしたら、それまで「民國」という年号が続いているかどうかも疑わしかったのかもしれません。しかも、当時の社会は安定しておらず、少し先のことは見通しが立たない。そんなことから、いつになったら実現するかわからないことを「要等到民國一百年」と言うようになったのではと推測されています。

ところが、そのまま「民國」は続き既に109年(2020年)。「民國100年」が過去になってしまいました。そのため、今では、慣用句として「要等到民國一百年」「要等到民國哪一年」の両方が使われている、ということのようです。

参考サイト:等到民國一百年

もちろんこの言い方は台湾独特のもの。中国では「要等到猴年马月」と言います。

慣れないうちは、時々この民国表記と西暦表記が混乱してしまいます。でも、女性の年齢を間違えたりすると大変なので、ご用心!台湾で生年月日に「85年」と書いてあったら、それはまず「民国85年(1996年)」。1985年生まれではありませんので、ご注意くださいね。

なお、暦の「何年?」は「哪一年?(どの年)」で聞きます。「幾年」というと「~年間」になりますので、こちらもご注意を。

(2017.01.16のブログ記事に加筆修正しました)