簡単な例文、見つけてきました。

台湾のSNS、ニュースサイト等から、中国語初心者の方にもわかりやすい例文を拾って、語句や文型の解説をしています。

⑧何でも揃っている

今回は、街で見かけた看板から。

shenmedouyou
緑の文字は中国語、ピンクの文字は日本語を示しています。

除了拍照,我們什麼都有。
写真撮影以外、何でも揃っています。

ずいぶん、強気なブライダルショップです。
そのセリフに、嘘偽りはありませんか?

肝心の相手だって、ちゃんと取り揃えているのかな?

語句

1.除了~(以外)/chúleyǐwài~以外
2.拍照/pāizhào/写真を撮る
3.什麼/shénme/
4.都/dōu/全部

語句・文法の解説

(1)除了~(以外)
最初は、組み合わせで覚えることが多い言葉も、日常の場面では、こんな風に前後のどちらか一方が省略されることも珍しくないので、ご注意を。

(2)拍照
中国語で、どこからどこまでがひとつの単語かを判断するのは簡単ではありません。この言葉も、元々は「軽く打つ、はたく」という意味の「拍」と、写真を表す「照」が合わさったものです。だから、「拍結婚記念照(結婚の記念写真を撮る)」のように、間に別の言葉が入ることもあります。

どこからどこまでが、ひとつの単語かがわからないと、ピンインの分かち書きの方法も、判断が大変です。中国では、単語毎に分けて書くのが原則ですが、台湾の辞書では、漢字毎に分けて書かれています。本当は、「漢字一文字ずつがひとつの単位」というのが、中国語の基本。だから、その組み合わせで新しい言葉がすぐに作れてしまう。そう考えると、台湾式に漢字毎に分けて書くのも理にかなっています。

(3)什麼都
この組み合わせで、「何でも」「何もかも」。

(4)「誰が何をする」と「何がどうなる」
以前にも書きましたが、中国語の主語の出現率は、日本語に比べ、断然高いのです(英語ほど必須ではありませんが)。この例でも、中国語の「我們(私たち)」をそのまま日本語に訳すと、「強気ぶり」がますます際立って、ちょっと不自然ですね。

それは、中国語と日本語の表現方法の違いとも関わります。中国語は「誰が何をする」という形で、動作をした人が前面に出てくることが多い。これに対し、日本語は「何がどうなる」という形で、動作をした人を後ろに隠し、そこにある状態や情景だけを描写することが多い。「揃えている」か「揃っている」かの違いです。

訳語を足したり引いたりの調整は難しいけれど、だからこそおもしろい。機械翻訳には、まだまだ負けないと思うのです。