簡単な例文、見つけてきました。
台湾のSNS、ニュースサイト等から、中国語初心者の方にもわかりやすい例文を拾って、語句や文型の解説をしています。
⑦この味、好きだなあ。
日本の番組を、繰り返し放送している台湾のテレビ。中国語字幕がついているものもたくさんあります。その中にはホレボレするようないい訳もあるし、「あらら、そう聞こえちゃったのね」と笑ってしまう間違いもありますが、どちらも、日本語と中国語の違いを考えるいいヒントになります。
今回は、「孤独のグルメ宮城編」から、翻訳時のポイントがわかりやすい例をご紹介します!
ブログ記事:「孤独じゃないグルメ」
主人公の五郎さんが、、よくつぶやくこのセリフです。
※緑の文字は中国語、ピンクの文字は日本語を示しています。
この味、好きだなあ。
我喜歡這個味道。
語句
1.喜歡/xǐhuān/好きだ
2.這個/zhè ge/これ・この
3.味道/wèidɑo/味
語句・文法の解説
(1)主語
以前にも書きましたが、中国語の主語の出現率は、日本語に比べ、断然高いのです(英語ほど必須ではありませんが)。この例でも、日本語のセリフには主語がないのに、中国語ではわざわざ「我」が加えられています。
逆に、この中国語を日本語に訳す場合、「僕、この味好きだな」と言ってしまうと、五郎さんのキャラが全然別のタイプになってしまいますね(笑)
日本語⇔中国語の翻訳・通訳では、こんな風に主語を足したり引いたりが、瞬時にできるかどうかがひとつのポイントになります。(日本語でも敢えて主語を入れたり、逆に中国語で主語を省略したりすることもあるので、そのさじ加減がプロの腕の見せ所なのでしょうね)
(2)這個・・・これ・この
日本語の「こ・そ・あ・ど」に似た言葉が中国語にもあります。それが「這zhè、那nà、哪nǎ」。日本語は4つで、中国語は3つというちょっと面倒な問題は今日は置いといて、まずは大雑把に、以下の対応で覚えてみましょう。
こ・・・這zhè
あ・・・那nà
ど・・・哪nǎ
それぞれの後ろに+αで様々なバリエーションができます。
この・・・這<個>
あの・・・那<個>
どの・・・哪<個>
<個>は物事を数える時の単位(助数詞・中国語では「量詞」)の代表です。だから、後ろに続く言葉によって変化します。
(参考)
三人の人・・・三個人
五冊の本・・・五本書
十枚の切符・・・十張票
この人/あの人/どの人・・・這個人/那個人/哪個人
この本/あの本/どの本・・・這本書/那本書/哪本書
この切符/あの切符/どの切符・・・這張票/那張票/哪張票
上の例の量詞(個・本・張など)は省略できません。もし、どの量詞を入れればいいかわからない時は、「個」を入れておきましょう。「個」は量詞の代表ですからね。
「これ・それ・あれ・どれ」の話は、また別の機会に。