台湾ドラマで中国語

台湾ドラマから、気になるセリフを拾って解説しています。スラング、慣用句、成語、日本語との比較、音声と字幕のズレ、文法、社会問題等、様々な角度から中国語の面白さをお伝えします!

台湾ドラマで中国語、目次

「日中対照用語集(ピンイン付):台湾ドラマの基礎用語」も、どうぞ

1.後菜鳥的燦爛時代/邦題:華麗なる玉子様(11)/その日にキスしたのではなく

今回は、キスの話題です。
でも、しっかり中国語のお勉強です。

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(画像は全てLine TVからお借りしました)

我們不那天接吻
(私たち、その日にキスしたんじゃないの)

いつの間に仲良くなったのか白状しなさい、と同僚たちに詰め寄られた二人。その勢いに押され、女の子の方が思わず言ってしまったのが上のセリフ。

みんなに、「おー!」と冷やかされてしまいます。

和訳を見ていただくだけでも、ニュアンスは伝わると思いますが、中国語の文法がわかるとこのセリフの面白さがもっと際立ちます。

初級から中級に入る頃に出てくる「是・・・的」の文型です。日本語の「~のだ」に似ていますが、大きく異なるのは、日本語が、「彼は明日来るのです」のように未来のことに使えるのに対して、中国語の方はそれができないということ。

主語+()+時間/場所/方法動詞

という文型ですが、この時、「動詞」の表す動作は既に実現している事が前提。その上で、時間や場所や方法に焦点を当てて伝えようとしています。

それがこのセリフのように否定文になっても、「動詞」の表す動作が実現している、という点はゆるぎません。否定されているのは、「那天」という時間の部分だけなのです。

同僚たちを沸かせたこのセリフ。否定文だけど、キスしたことだけはしっかり認めているのです。

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(画像は全てLine TVからお借りしました)

ちなみに、「チュッ」という擬音語はこんな漢字で書かれています。

每天啾啾 měitiān jiūjiū
(毎日チュッチュッ)

(2016.11.5のブログ記事に加筆修正しました)